吉本キャビネット製

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吉本キャビネット

スピーカーエンクロージャー組立キットの老舗、
吉本キャビネットの新工場が完成。最新工作機械を使って作られる
組立キットの製造工程をノーカットで取材した!


取材・文:ゴン川野 写真:弘田充

吉本キャビネット




会長の情熱が生んだスピーカー組み立てユニット

スピーカー自作派なら吉本キャビネットのエンクロージャー組立キットの名を聞いたことがあるに違いない。弊社刊「スピーカー工作の基本&実例集」付録のエンクロージャー・キットも吉本キャビネット製である。

スピーカー自作の醍醐味は何と言っても1枚の板から図面通りに板材を切り出して組み立てていくことだ。逆に初心者にはそれが敷居の高さとなって手を出しにくいとも言える。

吉本キャビネットは、そんなユーザーの悩みに応えてくれる頼もしい存在。今回、蕨市の新工場にお伺いした。会長の吉本定雄さんによれば吉本製作所の創立は1935年、1970年に吉本キャビネットが分離独立。順調に売り上げを伸ばすが、80年代から国産オーディオメーカーの生産拠点が海外に移りエンクロージャーの仕事が激減した。

現在、売上の80%は吉本壽宏社長が担当するアミューズメント用筐体などが占めている。残りの20%がキットになる。一度は生産を中止したスピーカー用の組立キットをなぜ復活させたのか。最大の理由は吉本会長がオーディオ好きだったからだ。

「昔からバックロードホーンの低音が好きだったんですよ。小型フルレンジ一発で予想外の低音が出せる。キットでも断トツに人気があるのがバックロードホーンでした。市場にはほとんどありませんから、これはウチがやめたらダメだと思いました」と吉本会長は当時を振り返る。

70〜80年代にオーディオ評論家、故長岡鉄男さんが次々とバックロードホーン用エンクロージャーを設計、制作してブームを巻き起こした。当時から色々とキットが発売されていた。

「ウチのキットはNCルーターを使って誤差0.02mm以下で板をカットします。さらに直角や水平がビシッと決まるように2年前からキットにもダボを採用しています」と吉本会長。


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10分でキット完成と言わせたダボの秘密

Webサイトなどで販売を開始した吉本キャビネットの人気の理由の一つにダボの採用がある。木材と木材を接合するために接合面に穴を開けてダボと呼ばれる棒状の部分を入れてから接着する。バックロードキットの場合は音道を構成する全ての板材を即板に立ててから接着する必要がある。ダボを使えばこれらの板材を指定の位置からズレずに自立できる。これでキット制作の難易度を下げて、完成度を上げられるのだ。キットを作った人のブログには1本10分で完成したという書き込みもあった。

板材の接着について組立の達人、峰岸さんから読者のためにアドバイスをもらっている。「接着にはプロも普通の木工用ボンドを使っています。接合面に薄くボンドを塗ったら圧着することが大事です。音道を確実に接着しないと設計通りの低音が出なくなる恐れがあります」

キットの板材の内側には番号が印刷されていて、この順番に板を接着していけばエンクロージャーが完成する。カッティングの制度が高いので指定の位置に板がピタリとはまっていく。組立が終わったら、最後はいよいよ塗装である。

今回は塗装の達人、初見さんに来ていただき読者向けに初心者でも失敗しないオイルステイン仕上げを実演してもらった。

吉本キャビネットのキットは中高年に人気があるという。「最近、学校教材にも採用されました。また、カルチャー教室で女性グループに組み立ててもらいたいですね。カープ女子ならぬスピーカー女子の登場に期待しています」と吉本会長。

制度が高く作りやすい同社のキットなら年齢や性別を超えて楽しめるのは確実だ。吉本キャビネットの描く夢は我々の想像よりはるかに大きいものだった。


スピーカーキット製造工程

板取作業

1:NC・設計担当の隅田大智さんがCADを使って板取を決める。エンクロージャーの設計は専門家に依頼。何度も試作、視聴を繰り返し吸音材の位置などを決めている。


NCルーター

2:設計図の数値通りにNCルーターマシンが直線はもちろん、複雑な曲線も誤差0.02mm以下で切り出していく。部品が多い場合は60分以上かかることもあるという。


ダボ打ちマシン

3:ダボ打ちマシンを使って、自動的にかなり高速で木ダボを打ち込んでいく。ダボは垂直に打ち込まないと意味がないのだが、これをドリルだけで行なうのは困難である。



職人からのアドバイス

組立

1:組立の達人、峰岸さんがあかす接着のコツはダボ穴にも木工用ボンドを入れて側板を均等に圧着すること。プロはプレス機を使うが、読者は漬け物石などを利用しよう。


塗装

2:塗装の達人、初見さんオススメの仕上げはオイルステインだ。ムラになりくく木の質感を生かした仕上げになる。塗装の前に240番のペーパで木地を整えておく。


塗装

3:オイルステインを含ませた布を使って円を描くように塗っていく。木口は色が濃くなる。塗ったあとは乾いた布で素早く拭き上げる。ゴミを避けるため屋内で塗りたい。


塗装

4:オイルステインが乾いたら、フラットクリアーを吹いて塗装の被膜を厚くすると高級感が出る。最後は1500番のペーパーをかけてコンパウンドでポリッシュする。



▲工場の様子を撮影してきました!



ゴン川野氏が試聴

ゴン川野

吉本キャビネットの組立キットは全てフルレンジ用。これに2015年8月号、「Stereo」誌付録の10cmスピーカーユニット(フォステクス製)を取り付けて試聴した。 トールボーイ以外はスピーカースタンドに載せた。音源はハイレゾデータでUSB/DAC経由でプリ・メインアンプに接続した。音量は結構、大きめで再生している。



コンパクトサイズ・バックロードホーン・キット

コンパクトサイズ・バックロードホーン・キット(10cmユニット対応)

板材:10枚×2台/サイズ:幅113×高さ290×奥行き204mm/付属品:ターミナル、スピーカー配線コード、ターミナル用ネジ、吸音材 ※ダボなし



ミドルサイズ・バックロードホーン・キット

【完売御礼】ミドルサイズ・バックロードホーン・キット(10cmユニット対応)

板材:12枚×2台/サイズ:幅194×高さ394×奥行き133mm/付属品:ターミナル、スピーカー配線コード、ターミナル用ネジ、吸音材 ※ダボなし



トールボーイ型バックロードホーン・キット

【完売御礼】トールボーイ型バックロードホーン・キット ACY−4 浅生モデル(10cmユニット対応)

板材:12枚×2台/サイズ:幅150×高さ900×奥行き265mm/付属品:ターミナル、スピーカー配線コード、ターミナル用ネジ、吸音材 ※ダボあり



ゴン川野
ゴン川野(Gon Kawano)・・・オーディオライター、家電製品総合アドバイザー、AllAboutデジタルガイド、Webサイト「@DIME」にてオーディオ記事を連載中。

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