![]() スピーカーエンクロージャー組立キットの老舗、 吉本キャビネットの新工場が完成。最新工作機械を使って作られる 組立キットの製造工程をノーカットで取材した! 取材・文:ゴン川野 写真:弘田充 ![]() 会長の情熱が生んだスピーカー組み立てユニット スピーカー自作派なら吉本キャビネットのエンクロージャー組立キットの名を聞いたことがあるに違いない。弊社刊「スピーカー工作の基本&実例集」付録のエンクロージャー・キットも吉本キャビネット製である。 ![]() 10分でキット完成と言わせたダボの秘密 Webサイトなどで販売を開始した吉本キャビネットの人気の理由の一つにダボの採用がある。木材と木材を接合するために接合面に穴を開けてダボと呼ばれる棒状の部分を入れてから接着する。バックロードキットの場合は音道を構成する全ての板材を即板に立ててから接着する必要がある。ダボを使えばこれらの板材を指定の位置からズレずに自立できる。これでキット制作の難易度を下げて、完成度を上げられるのだ。キットを作った人のブログには1本10分で完成したという書き込みもあった。 ![]() ![]() 1:NC・設計担当の隅田大智さんがCADを使って板取を決める。エンクロージャーの設計は専門家に依頼。何度も試作、視聴を繰り返し吸音材の位置などを決めている。 ![]() 2:設計図の数値通りにNCルーターマシンが直線はもちろん、複雑な曲線も誤差0.02mm以下で切り出していく。部品が多い場合は60分以上かかることもあるという。 ![]() 3:ダボ打ちマシンを使って、自動的にかなり高速で木ダボを打ち込んでいく。ダボは垂直に打ち込まないと意味がないのだが、これをドリルだけで行なうのは困難である。 ![]() ![]() 1:組立の達人、峰岸さんがあかす接着のコツはダボ穴にも木工用ボンドを入れて側板を均等に圧着すること。プロはプレス機を使うが、読者は漬け物石などを利用しよう。 ![]() 2:塗装の達人、初見さんオススメの仕上げはオイルステインだ。ムラになりくく木の質感を生かした仕上げになる。塗装の前に240番のペーパで木地を整えておく。 ![]() 3:オイルステインを含ませた布を使って円を描くように塗っていく。木口は色が濃くなる。塗ったあとは乾いた布で素早く拭き上げる。ゴミを避けるため屋内で塗りたい。 ![]() 4:オイルステインが乾いたら、フラットクリアーを吹いて塗装の被膜を厚くすると高級感が出る。最後は1500番のペーパーをかけてコンパウンドでポリッシュする。 ▲工場の様子を撮影してきました! ![]() ![]() 吉本キャビネットの組立キットは全てフルレンジ用。これに2015年8月号、「Stereo」誌付録の10cmスピーカーユニット(フォステクス製)を取り付けて試聴した。 トールボーイ以外はスピーカースタンドに載せた。音源はハイレゾデータでUSB/DAC経由でプリ・メインアンプに接続した。音量は結構、大きめで再生している。 ![]() コンパクトサイズ・バックロードホーン・キット(10cmユニット対応) 板材:10枚×2台/サイズ:幅113×高さ290×奥行き204mm/付属品:ターミナル、スピーカー配線コード、ターミナル用ネジ、吸音材 ※ダボなし ![]() 【完売御礼】ミドルサイズ・バックロードホーン・キット(10cmユニット対応) 板材:12枚×2台/サイズ:幅194×高さ394×奥行き133mm/付属品:ターミナル、スピーカー配線コード、ターミナル用ネジ、吸音材 ※ダボなし ![]() 【完売御礼】トールボーイ型バックロードホーン・キット ACY−4 浅生モデル(10cmユニット対応) 板材:12枚×2台/サイズ:幅150×高さ900×奥行き265mm/付属品:ターミナル、スピーカー配線コード、ターミナル用ネジ、吸音材 ※ダボあり ![]() ゴン川野(Gon Kawano)・・・オーディオライター、家電製品総合アドバイザー、AllAboutデジタルガイド、Webサイト「@DIME」にてオーディオ記事を連載中。 |