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Bonnes Notesプロジェクト

これまで2回に亘ってご紹介してきた、パイオニアの新ブランド「Bonnes Notes」プロジェクト。発売されるや話題となり、売り切れ御免となった ONTOMO MOOK「オーディオ 音質改善の極意」の付録「APSDR000」、そしてその上位モデルとなる「APS-DR001」「APS-DR002」「APS-DR003」の概要と使用感、試聴レポートをご紹介したい。

取材・文:生形三郎
※「Stereo」2017年1月号より転載

使い方は極シンプルに
「音質改善」を図る


DRESSINGは、USB Aタイプのコネクタを持った音質改善ツールである。主な使用用途としては、パソコンとUSB DACを使った音楽再生の音質をアップするもの。USB伝送におけるノイズ対策アクセサリーである。使い方は、パソコンの空きUSBポートに挿すだけ。早い話が、フィルター回路が内蔵されており、ノイズを除去するものだ。

しかしながら、DRESSINGは「ノイズフィルター」とは謳わずに「音質改善装置」として開発されているところに大きなポイントがある。まさにそれこそがDRESSINGの魅力であるとともに、私も「これならば使ってみたい」と思った理由である。つまり、従来の類似製品とは、その志向性が全く異なるということだ。
 

DRESSINGをUSBポートに差す、聴く、抜く、聴く。聴き比べは至って簡単に行なうことが出来る DRESSINGをUSBポートに差す、聴く、抜く、聴く。聴き比べは至って簡単に行なうことが出来る


APS-DR003についてはこのようにUSBケーブル等と連結して使用することが可能となる。写真は003試作機 APS-DR003についてはこのようにUSBケーブル等と連結して使用することが可能となる。写真は003試作機


USB伝送における
ノイズを浄化


ところで、パソコンを使ったオーディオ再生を行なったことがある方の中には、どうしてもその音に馴染むことが出来ない、違和感を覚えてしまう、と感じられる方もいらっしゃると思う。私自身も当初はそうであったし、私の周りでもよく聞く話である。勿論、アナログ再生と比較するのならそもそも話は別である。しかし、デジタル再生である「CD再生」と比べたときの話であり、同じ音源をパソコンとCDプレーヤーの両方で再生してみて、後者の方が良かった、という話である。そしてDRESSING開発者の野尻氏自身も、そういったCDプレーヤー回帰派を目の当たりにして、この製品の開発に乗り出したのである。

そこで野尻氏が着目したのは、パソコンとのUSB伝送におけるノイズの問題。具体的な話はMOOKに譲るが、それを内部素子によって吸収そして浄化するのがDRESSINGなのである。

デジタルファイル再生自体を
より浸透力ある表現にする
もっとも本質的な音の変化


ここまでは従来製品と考え方は変わりない。問題はその効果である。この手の製品は、確かに音が変わるし、場合によって、好みによって、良好な使用効果が得られるのも事実だ。しかしながら、どうも音が変わりすぎてしまい、結局無いほうがいい、という場合もあるのではないか。また、良好な音質改善が得られたとしても、別途電源供給が必要になってしまう場合など、見た目的にもすっきりしないということもある。そんな中で、DRESSINGの効果を初めて耳にしたとき、非常に驚いたのである。実に良い塩梅で音質が改善したからだ。派手な変化ではないが、派手な変化でないところがいい。音色のコントラストや空間描写、そしてS/N感がごく自然な聴感で改善する。勿論、派手かそうでないかは、人によって感じ方が異なるだろう。しかしながら私が常々感じるのは、デジタルファイル再生における「僅かな音色の質感」や「演奏表情の細やかな違い」などの改善変化は、アナログ再生やアナログ伝送部分における、直接的で振れ幅の大きな変化とは異なるものの、デジタルファイル再生自体をより浸透力ある表現にする、もっとも本質的な音の変化なのではないか、ということである。DRESSINGの音質変化は、それを踏まえた上でも、非常に革新的な存在であると私は感じた。



Bonnes Notesブランドサイト

http://pioneer.jp/pcperipherals/bonnesnotes/